2024年11月16日
民族文化映像研究所作品の上映会 28回目「映画とごはんの会」を開催します。
2024年12月のプログラムは『鹿児島の正月行事』。
正月は、すべてのものが新しく生まれかわる時とされる。人々はさまざまな行事をして、作物の豊かさや子孫繁栄を願う。これは鹿児島各地に伝わる正月行事の記録である。
正月、神を迎え、命を蘇らせる行事が行われる。畑作物との関係も深い。二日、仕事始め。六日から八日には、鬼や病を退散させ無病息災を祈る行事。一四日には、稲の豊作を祈る行事が行われる。
1982年制作、33分の作品です。
鹿児島各地で行われている、じつに多様なお正月の行事を一緒にみて、おいしいお酒とお料理を肴に、大いにおしゃべりしましょう。
【会場】信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10-1F)
【日時】
2024年12月13日(金)
〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクと酒肴つき 税込)
定員 10名
2024年12月14日(土)
〈昼の部〉
15時上映開始(開場14時30分)17時終了
参加費 2000円(お茶とお菓子付き 税込)
定員 10名
〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクと酒肴つき 税込)
定員 満席となりました
【申し込み】はここをクリック
「お問い合わせ内容」に「鹿児島 参加希望」
〈希望日〉と〈昼の部〉か〈夜の部〉か、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。
*感染症対策として、手指消毒用のアルコール、ジェルをご用意します。
当日体調の優れない方の来場はご遠慮ください。
せき、くしゃみなどの症状がある方は入場をご遠慮いただきますのでご了承ください。
状況によっては、上映中はマスクを着用していただく場合がございます。
『鹿児島の正月行事』
1982年/33分/鹿児島県教育委員会委嘱/鹿児島県肝属郡佐多町、高山町/曽於郡志布志町/大口市/熊毛郡上屋久町
正月は、すべてのものが新しく生まれかわる時とされる。人々はさまざまな行事をして、作物の豊かさや子孫繁栄を願う。これは鹿児島各地に伝わる正月行事の記録である。
正月、神を迎え、命を蘇らせる行事が行われる。畑作物との関係も深い。二日、仕事始め。六日から八日には、鬼や病を退散させ無病息災を祈る行事。一四日には、稲の豊作を祈る行事が行われる。
【取材地と内容】
◎正月準備:オオバン竿(大根、魚、銭縄をかけた竿)をナカエに供える=佐多町瀬戸山/ユキマツ(葉にうどん粉をつけた松)を床の間や墓に供える=佐多町上之園/サトイモと大根を床の間や墓に供える=佐多町折山/垣普請(笹竹を竹ではさんで縛った垣根をとりつける)・シラスを敷く・門松に割木をそえて立てる・臼ねかせ(農具に供え物をして納屋に飾る)・ヒノトギ(囲炉裏に太い生木をくべる。七日正月まで火は燃やし続ける=志布志町安楽
◎元旦:若水迎え=佐多町大泊/餅占い(若水に餅を落とす。表が出れば日年、裏は雨年といわれる)=志布志町安楽/イモンスイ(芋の吸物)を食べる=佐多町折山
◎二日:コタコン(子どもが臼を起こしてまわる)=高山町鳥越/鍬入れ(畑で鍬で三度打って祈る)・草の刈り始め(草を刈って牛馬にやる)=佐多町瀬戸山/若木伐り(家族の男の数だけ木を伐り庭に立てる)=大口市金波田/舟祝い(漁の仕事始め)=佐多町大泊
◎四日:若木伐り(主だった柱に若木を供える)=佐多町上之園
◎六日:六日年(ムカドシ・柱の若木に刺のあるタラノキとモロムギを置く)=佐多町上之園
◎七日・七日(ナンカン)正月:ナンカズシ(七草粥を子どもが集めて回る)=佐多町大泊/前日子どもが集めた割木で鬼火(オンビ)たき・門まわり(子どもたちが家々をまわって唱えごとをしていく)=上屋久町宮之浦/チンカラカーメ(門まわり)=佐多町竹之浦
◎八日:鬼のクソひろい(子どもが家々をまわって鬼のクソとよぶ餅をひろう)=上屋久町宮之浦
◎一四日・望年(モツドシ):モグラ打ち(子どもが家々をまわり庭を叩いてもぐらの退散を祈る)・メノモチ(榎の枝に餅をさす・マユダマと同じ意味)を柱、墓、田の神に供える・マンガノモチ(柳の小枝に餅を二つ通し、枝を輪にして牛のマンガに似せる)を納屋の籾箱にさす・ホダレヒキの行事(切らずに煮炊きした料理を食べてから寝る・稲穂が畦を枕にねた姿をあらわす)=大口市金波田/ハラメウチ(子どもが新婚家庭を話ハラメンボウで嫁を打って子孫繁栄を願う)=大口市下木場
©民族文化映像研究所/『民映研作品総覧』(はる書房)より転載