2024年1月5日
民族文化映像研究所作品の上映会 23回目「映画とごはんの会」を開催します。
2024年3月のプログラムは『飛騨白川郷のどぶろく祭』。
雪国であり、ブナ林に恵まれた白川村はよい湧水が豊富である。どぶろくは、この涌水を使い、寒の時期(一月下旬)に仕込む。原料はかつて稗や粟であった。今は米を蒸し、麹を混ぜて仕込む。仕込んだ材料は発酵し、約半年を経て御神酒となり、祭で初めて神前に供えられる。
2000年制作、上映時間48分の作品です。
【会場】信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10-1F)
【日時】
2024年3月1日(金)
〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクと酒肴つき 税込)
定員 満席となりました
2024年3月2日(土)
〈昼の部〉
14時上映開始(開場13時30分)16時終了
参加費 2000円(お茶とお菓子付き 税込)
定員 10名
〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクと酒肴つき 税込)
定員 満席となりました
【申し込み】はここをクリック
「お問い合わせ内容」に「どぶろく祭 参加希望」
〈希望日〉と〈昼の部〉か〈夜の部〉か、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。
*感染症対策として、手指消毒用のアルコール、ジェルをご用意します。
当日体調の優れない方の来場はご遠慮ください。
せき、くしゃみなどの症状がある方は入場をご遠慮いただきますのでご了承ください。
状況によっては、上映中はマスクを着用していただく場合がございます。
「映画とごはんの会」は
作品の上映と、そのあと1杯のお酒とおつまみをご用意した会です。
1)自己紹介は必要ありません
2)感想も求めません
とはいえ、映画を観たあとには浮かび上がるいろいろな思い、疑問があると思います。
ゲストに、民映研の創立メンバーでこの映画の撮影も担当した伊藤碩男カメラマンと、民映研の代表の箒有寛さん(ShuHALLI)をお迎えします。
湧きあがる疑問には、博覧強記の伊藤さんと箒さんが驚異の記憶力をもって答えてくださるはずです。
酒肴は「シュハリの台所」が担当します。
映画のあとは、おいしいお酒と肴とおしゃべりを楽しみましょう。
『飛騨白川郷のどぶろく祭』
2000年/48分/岐阜県大野郡白川村平瀬・木谷・荻町・鳩谷・飯島/白川村委嘱/財団法人全国市町村振興協会・財団法人地域創造(助成)
【作品解説】
これは白川村の五つの集落(平瀬・木谷・荻町・鳩谷・飯島)で、毎年九月から十月にかけて集落ごとに順繰りに行われる「どぶろく祭」の記録である。各集落の神社には「春祭(祈念祭)」「例祭(本祭)」「秋祭(新嘗祭)」の三つの祭があるが、「どぶろく祭」はこのうちの「例祭」にあたり、五穀豊穣と一年の無事を感謝する最も大きな祭である。
祭に供えられるどぶろくは、醸造権をもつ五つの神社(平瀬八幡神社・木谷白山神社・白川八幡神社・鳩谷八幡神社・飯島八幡神社)で、各社の氏子たちによってつくられる。
雪国であり、ブナ林に恵まれた白川村はよい湧水が豊富である。どぶろくは、この涌水を使い、寒の時期(一月下旬)に仕込む。原料はかつて稗や粟であった。今は米を蒸し、麹を混ぜて仕込む。仕込んだ材料は発酵し、約半年を経て御神酒となり、祭で初めて神前に供えられる。
仕込みの責任者は氏子たちから選ばれた「杜氏」。それを手伝うのが「鍵取り」当番組である。「鍵取り」はその名の通り、神社の鍵を管理し、祭の一切の裏を務める大切な役目をもつ。祭は、神様のお守り役ある「宮司」、神社のお守り役の「鍵取り」、氏子のまとめ役である「氏子総代」が中心となり、氏子たち全員によって運営される。
祭には、「御神幸」あるいは「村まわり」と呼ばれる御輿の巡行がある。たとえば荻町では鬼が先頭に立ち、その後ろに闘鶏楽、獅子、吹流し、大榊、楽人、稚児、御輿、宮司とつづく長い列となる。獅子は、露払いの役目として欠かせないものである。各家では御神幸の通り道に砂を撒き、御手洗など不浄な場所に柴を立てておおい、神を迎える。
夕方。御神幸の行列が神社に戻ると、神前に供えたどぶろくを下げいただく「どぶろくの儀」が行われ、氏子や観光客にも振舞われる。夜、奉納される獅子舞などの多彩な芸能。そこには、酒を醸し、神を迎え、喜びを共にする村人の気持ちがこめられている。
©民族文化映像研究所/『民映研作品総覧』(はる書房)より転載