草日誌

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2023年5月11日

第19回 映画とごはんの会
『川越の職人——鳶と左官』

民族文化映像研究所作品の上映会 19回目「映画とごはんの会」を開催します。
2023年6月のプログラムは『川越の職人——鳶と左官』。

小江戸と呼ばれる城下町、川越。ここは近隣農村の物資集散地として栄えた町であり、蔵造りの家並が続く。その蔵造りの家々を守ってきたのが、蔵造りの三職、鳶・大工・左官である。これはたなぐらの修理作業を通して、鳶と左官の技術と町での役割を記録したものである。

1985年制作、上映時間44分の作品です。

【会場】信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10-1F)

【日時】
2023年6月23日(金)
〈夜の部〉満席となりました(5月12日10:00)
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクとお弁当付き 税込)
定員 受付終了

2023年6月24日(土)
〈昼の部〉満席となりました(5月12日10:00)
15時上映開始(開場14時30分)17時終了
参加費 2000円(お茶とお菓子付き 税込)
定員 受付終了

〈夜の部〉満席となりました(5月12日08:00)
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクとお弁当付き 税込)
定員 受付終了

【受付】 ←キャンセル待ちでのご案内になります
「お問い合わせ内容」に「川越の職人 参加希望」
〈希望日〉と〈昼の部〉か〈夜の部〉か、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。

*感染症対策として、手指消毒用のアルコール、ジェルをご用意します。
 当日体調の優れない方の来場はご遠慮ください。
 せき、くしゃみなどの症状がある方は入場をご遠慮いただきますのでご了承ください。
 状況によっては、上映中はマスクを着用していただく場合がございます。

「映画とごはんの会」は
作品の上映と、そのあと1杯のお酒とおつまみをご用意した会です。

1)自己紹介は必要ありません
2)感想も求めません
とはいえ、映画を観たあとには浮かび上がるいろいろな思い、疑問があると思います。
ゲストに、民映研の創立メンバーでこの映画の撮影も担当した伊藤碩男カメラマンと、民映研の代表の箒有寛さん(ShuHALLI)をお迎えします。
湧きあがる疑問には、博覧強記の伊藤さんと箒さんが驚異の記憶力をもって答えてくださるはずです。
お弁当は「たまや」が担当します。
映画のあとは、おいしいお酒と肴とおしゃべりを楽しみましょう。

『川越の職人——鳶と左官』
1985年/44分/埼玉県教育委員会委嘱/埼玉県川越市

【作品解説】
小江戸と呼ばれる城下町、川越。ここは近隣農村の物資集散地として栄えた町であり、蔵造りの家並が続く。その蔵造りの家々を守ってきたのが、蔵造りの三職、鳶・大工・左官である。これはたなぐらの修理作業を通して、鳶と左官の技術と町での役割を記録したものである。
蔵造りや修理には、まず鳶が足場を組む。鳶の技術は結びの技術といっていいほど、結束の場所やその時の状況により、さまざまな結び方がある。左官は、泥と砂に藁を切ったツタを入れてつなぎにし、こねあわせて、壁土になるコネ砂を作る。ツタあわせは特に大事で、左官の技術は、ツタあわせ半分、塗り半分といわれる。
壁を作る時には、鳶が柱の間に縦横に竹を組む「木舞かき」をし、左官が木舞にツタを入れた泥を打ちつける。乾いたら、「大直し」、壁にシュロ縄を通しては、泥で上に塗り上げ、縄を押し込んでいく。次いで「樽巻き」、今度は縄を横に張りめぐらし、塗り込めていく。続いて「中塗り」、竹釘を打ちシュロ縄をからげながらコネ砂で塗る。乾かしては塗り乾かしては塗りの作業で、一蔵作るのに三年かかったという。そして「上塗り」は、ツノマタ(粘滑性の海草の一種)の煮汁と麻のツタに石灰いしばいを入れた漆喰で行う。最後に、石灰とカキの殻を焼いた灰と墨をツノマタの煮汁でこねた黒ノロをかけ、ツヤを出して完成。
鳶の仕事は蔵を作るだけではない。蔵の前に置く用心土と水は絶やさないように気を配る。火事の時には駆けつけて、蔵の扉をしめ、用心土で目塗りをして店を守る。鳶は裏方として店や町内を守ってきたのである。商人のまつり「川越まつり」でも、鳶は山車を組み立て、動かし、裏方に徹して働く。鳶と町衆とのつながりは強かった。鳶は決まった店とのつきあいを代々守ってきた。その店の裏方として働くことで、商人を支え、町を支えてきたのである。

©民族文化映像研究所/『民映研作品総覧』(はる書房)より転載

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