草日誌

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2023年9月26日

第21回 映画とごはんの会
『舟大工の世界』

民族文化映像研究所作品の上映会 21回目「映画とごはんの会」を開催します。
2023年10月のプログラムは『舟大工の世界』。

海に囲まれ、川の交通網の発達した房総半島では、漁や交通手段に木造船が活躍した。さっぱ船とよぶ川船作りと鯛釣り用の伝馬船作りを映像におさめた。

1990年制作、上映時間42分の作品です。

【会場】信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10-1F)

【日時】
2023年10月27日(金)
〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクとお弁当付き 税込)
満席となりました

2023年10月28日(土)
〈昼の部〉
15時上映開始(開場14時30分)17時終了
参加費 2000円(お茶とお菓子付き 税込)
満席となりました

〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクとお弁当付き 税込)
満席となりました

【申し込み】はここをクリック 
「お問い合わせ内容」に「舟大工の世界 参加希望」
〈希望日〉と〈昼の部〉か〈夜の部〉か、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。

*感染症対策として、手指消毒用のアルコール、ジェルをご用意します。
 当日体調の優れない方の来場はご遠慮ください。
 せき、くしゃみなどの症状がある方は入場をご遠慮いただきますのでご了承ください。
 状況によっては、上映中はマスクを着用していただく場合がございます。

「映画とごはんの会」は
作品の上映と、そのあと1杯のお酒とおつまみをご用意した会です。

1)自己紹介は必要ありません
2)感想も求めません
とはいえ、映画を観たあとには浮かび上がるいろいろな思い、疑問があると思います。
ゲストに、民映研の創立メンバーでこの映画の撮影も担当した伊藤碩男カメラマンと、民映研の代表の箒有寛さん(ShuHALLI)をお迎えします。
湧きあがる疑問には、博覧強記の伊藤さんと箒さんが驚異の記憶力をもって答えてくださるはずです。
お弁当は「たまや」が担当します。
映画のあとは、おいしいお酒と肴とおしゃべりを楽しみましょう。

『舟大工の世界』
1990年/42分/千葉県佐原市与田浦、安房郡和田町和田/千葉県教育委員会委嘱

【作品解説】
海に囲まれ、川の交通網の発達した房総半島では、漁や交通手段に木造船が活躍した。このフィルムでは舟大工の技術とその信仰習俗を記録した。さっぱ船とよぶ川船作り(佐原市の多田一二夫さん)と鯛釣り用の伝馬船作り(和田町の樋口喜持さん)を映像におさめた。
船材は山から伐り出すのが普通だが、屋敷林の杉を使うこともあった。伐った木は最低三ヶ月は乾燥させる。正月二日。舟大工の仕事始め。材料に墨つけをする道具の墨さしと物差しにするケンザオを新しく作り、仕事の無事を祈る。
さっぱ船も伝馬船もまずシキとよぶ船底を、板をぎ合わせて作る。さっぱ船は四枚、伝馬船は二枚の板を接ぐ。板を接ぐのは材の節約とともにくるいを少なくするためで、木造船作りが高度に発達した証である。川の船と海の船とでは板の枚数が異なるのは、波の違いによる。
肋骨状の竜骨に板を張る西洋の船と違い、和船は板を接ぎ合わせて組み上げていくため、特有の道具と技術が展開する。板を接ぐ時は、板と板の接ぎ目に目の細かな鋸を入れて、面と面をぴったりあうようにするスリアワセをする。板と板の合う側面を叩きしめ、水を吸うと再度膨張して隙間がなくなるようにする。カシラという溝あけ、溝とは反対方向からツバノミで釘穴をあけておく。溝と穴を貫通するように弧を描く曲がった船釘を打ち込んで固定する。カシラは入れ木をしてふさぐ。釘穴からの浸水を防ぐには、釘の頭にマキハダ(ヒノキの皮の繊維)を巻きつけて打ち、釘頭の腐りを防ぐために銅板を張る。
また船神様もつくる。祠にサイコロ、男女の人形、女性の髪、五穀、麻、銭一二枚を納める。再び開けて船神様を見ることはない。
舟大工は聖徳太子を信仰する。太子講をひらき、その時、船の値段などを決めた。シキを据えた時にはシキズエ、船が完成すると船下ろしをし、船主やなじみの漁師たちと安全を祈願し、祝いあう。
©民族文化映像研究所/『民映研作品総覧』(はる書房)より転載

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