2024年7月24日

第26回　映画とごはんの会
『西米良の焼畑』

民族文化映像研究所作品の上映会　26回目「映画とごはんの会」を開催します。
2024年8月のプログラムは『西米良の焼畑』。
金土2日間、夜昼夜の3回上映、各10人ほどの小さな集まりです。
ご参加をお待ちしています。

九州山地のまっただ中にある西にし米め良ら村では、第二次世界大戦後まで盛んに焼畑を行っていた。集落にある住まいと変わらないくらいの大きさの作小屋を山にもち、そこを拠点に、焼畑を行ったのである。これは、西米良村での焼畑作業と、それにかかわる儀礼の記録である。

1985年制作、43分の作品。
バリエーション豊富な民映研作品の中でも重要な位置を占める〈焼畑5部作〉のひとつです。
面積の95%以上を森林が占める西米良村のいとなみをいっしょに観て、おいしいお酒とお料理を肴に、大いにおしゃべりしましょう。

【会場】信陽堂アトリエ（文京区千駄木3-51-10-1F）

【日時】
2024年8月30日（金）
〈夜の部〉 満席となりました
19時上映開始（開場は18時30分）22時終了
参加費　4000円（ワンドリンクと酒肴つき　税込）
定員　10名　

2024年8月31日（土）
〈昼の部〉
15時上映開始（開場14時30分）17時終了
参加費　2000円（お茶とお菓子付き　税込）
定員　10名

〈夜の部〉満席となりました
19時上映開始（開場は18時30分）22時終了
参加費　4000円（ワンドリンクと酒肴つき　税込）
定員　10名

【申し込み】はここをクリック
「お問い合わせ内容」に「西米良　参加希望」
〈希望日〉と〈昼の部〉か〈夜の部〉か、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。

＊感染症対策として、手指消毒用のアルコール、ジェルをご用意します。
　当日体調の優れない方の来場はご遠慮ください。
　せき、くしゃみなどの症状がある方は入場をご遠慮いただきますのでご了承ください。
　状況によっては、上映中はマスクを着用していただく場合がございます。

「映画とごはんの会」は
作品の上映と、そのあと1杯のお酒とおつまみをご用意した会です。

１）自己紹介は必要ありません
２）感想も求めません
とはいえ、映画を観たあとには浮かび上がるいろいろな思い、疑問があると思います。
ゲストに、民映研の創立メンバーでこの映画の撮影も担当した伊藤碩男カメラマンと、民映研の代表の箒有寛さん（ShuHALLI）をお迎えします。
湧きあがる疑問には、博覧強記の伊藤さんと箒さんが驚異の記憶力をもって答えてくださるはずです。
お弁当は「たまや」が担当します。
映画のあとは、おいしいお酒と肴とおしゃべりを楽しみましょう。

『西米良の焼畑』
1985年／43分／宮崎県西米良村教育委員会委嘱／宮崎県児湯郡西米良村

【作品解説】
九州山地のまっただ中にある西にし米め良ら村では、第二次世界大戦後まで盛んに焼畑を行っていた。集落にある住まいと変わらないくらいの大きさの作小屋を山にもち、そこを拠点に、焼畑を行ったのである。これは、西米良村での焼畑作業と、それにかかわる儀礼の記録である。
西米良でコバ、ヤボとよぶ焼畑は、ヒエ、アワを作付ける秋コバ（ヤボ）と、主に大根やソバなどを作付ける小規模な夏コバ（ヤボ）がある。秋コバは秋に木を伐り翌春に焼き、夏コバは夏に伐って焼く。また、3、4年の作付け後の放棄期間が、秋コバは40から50年であるのに対し、夏コバは10から15年と短い。
作業に先立ち、御神酒を入れた竹筒を木にかけて神に捧げるクチアケの儀礼を行う。休息のためのヨケ小屋も作る。そして木を伐る作業、ヤボキリ。伐り倒すのが困難な大木は、木おろしをして立ち枯れにする。先端に木のついた長い竹竿、ツクを高い枝にかけて登り、枝を落としては次々に隣の木に移っていくのである。この時、山の神への祈りをこめた「木おろし唄」が歌われる。
防火用の火道をきり、いよいよ火入れである。火伏せの神のお札を立てて祈る。焼畑にする斜面の上辺、ヨッカシラの風下にまず火をつけ、順々につけ下ろし安全に、まんべんなく焼いていく。燃え残りを焼く木焼きや土留めをし、作業は終わる。種播きは数日後にする。
稔りの季節。「作の王」といわれる大根を収穫する。ヒエは穂だけを刈り取って収穫する。穂に手がとどかないほど良く成長した時は、竿でヒエを押し倒す「竿入れ」をして収穫する。西米良では、二穀メシ（米、粟）や三穀メシ（米、稗、豆）にして、焼畑の穀物が食されてきた。大根、ソバも重要な食料であった。
焼畑は、草木の復原力を利用して地力を回復させ、自然の生態系と対応させた農法であった。
©民族文化映像研究所／『民映研作品総覧』（はる書房）より転載

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