2025年1月24日
民族文化映像研究所作品の上映会 29回目「映画とごはんの会」を開催します。
2025年2月のプログラムは『佐渡の車田植』。
佐渡島の西北端にある北鵜島集落に伝わる車田植は、日本人の稲に寄せる信仰を知るうえで貴重な手がかりとなるものである。渦巻き状に苗を植えるこの車田植は、かつては岩手、岐阜などでも行われていたが、1980年時点ではここ一ヶ所となり、1979年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。
1981年制作、33分の作品です。
日本海を望む佐渡の田んぼで行われる〈車田植〉の四季をめぐりながら、おしゃべりと美味しいお酒と肴を楽しみましょう。
【会場】信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10-1F)
【日時】
2025年2月28日(金)
〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクと酒肴つき 税込)
定員 満席となりました
2025年3月1日(土)
〈昼の部〉
15時上映開始(開場14時30分)17時終了
参加費 2000円(お茶とお菓子付き 税込)
定員 10名
〈夜の部〉
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクと酒肴つき 税込)
定員 満席となりました
【申し込み】はここをクリック
「お問い合わせ内容」に「車田植 参加希望」
〈希望日〉と〈昼の部〉か〈夜の部〉か、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。
*感染症対策として、手指消毒用のアルコール、ジェルをご用意します。
当日体調の優れない方の来場はご遠慮ください。
せき、くしゃみなどの症状がある方は入場をご遠慮いただきますのでご了承ください。
状況によっては、上映中はマスクを着用していただく場合がございます。
『佐渡の車田植』
1981年/33分/両津市教育委員会委嘱/新潟県両津市北鵜島
日本には稲の豊作を願う儀礼がさまざま伝えられている。佐渡島の西北端にある北鵜島集落。その草分けの家、北村家が伝える車田植もそのひとつであり、日本人の稲に寄せる信仰を知るうえで貴重な手がかりとなるものである。渦巻き状に苗を植えるこの車田植は、かつては岩手、岐阜などでも行われていたが、1980年時点ではここ一ヶ所となり、1979年には国の重要無形民俗文化財に指定されている。
十二月。正月を迎える準備が始まる。一日、オマッツァン迎え。山から松を伐ってきて俵がけに縛る。水迎え棒にする松の枝も迎える。二四日、オマッツァンの帯解き。俵がけの縄をほどき、供え物をする。三一日、門や牛小屋、舟屋、浜にオマッツァンを立てる。水迎え棒にミズノモチとよぶ餅とスルメをつけて、囲炉裏の天棚にさす。元旦。若水迎え。水迎え棒を水の神に捧げ、若水を汲む。六日、ミズノモチを焼いて門松などに供える。その後、お下がりを皆で食べる。この餅をイナカリモチともいう。
旧暦二月社日(しゃじつ)の日(春分に最も近い戊の日)、水迎え棒を神さん田の水口(みなくち)に立てる。神さん田とは、田の神様が訪れると伝えられている神聖な田で一番山手にある。
田植は大安吉日を選び、神さん田から始める。神さん田には肥料を入れず、植えるのはモチゴメである。そしてすべての田植を終えたあとで、車田植をする。
車田植の日、早朝、苗代から苗を三東持ち帰り床の間に置き、握り飯を供えて豊作を祈る。その苗で車田植を始める。三人の早乙女が田の中央から後ずさりしながら、渦巻き状にまわりつつ植えていく。畦では早乙女を励ます田植唄が歌われる。
夏は草取り、ヒエ抜き。そして秋、稲刈りが始まる。車田も他の田と同じように刈り取られるが、神さん田は最後に刈る。これを刈り上げ田とよび、収穫した米は神事に使われる。
©民族文化映像研究所/『民映研作品総覧』(はる書房)より転載