草日誌

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2012年10月5日

新潟・北書店、
佐藤雄一さんのこと

10月28日、鎌倉ハウスで開かれる新潟「北書店」佐藤店長のイベントにおじゃますることになりました。
「本から本棚まで」というテーマで、佐藤店長と対談いたします。
佐藤店長はいまでは北書店の店主なのだから「社長」と呼ばれてもいいのに、北光社の店長時代からの「佐藤店長」という呼び名ががすっかり馴染んでいます。 ご本人もまったく違和感なさそう。店長だし社長なのですが、いい意味で「本屋さんの頼れるお兄さん」という風情も相まって、街の人々に愛される本屋さんを たった2年で作り上げてしまいました。
北書店はいまでは、全国の本好きが憧れる本屋さん、の筆頭なのではないでしょうか。
たった2年で、と書きましたが、まだまだ本の数が少なかった開店当初から、すでにそこにはあの魔法がかかったような棚はありました。「さすが……」とうなるより前に、本の背を舐めるように目が追っていました。気がつくと口角が上がっています。本屋さんの棚を見ているだけで、まだ一冊も手に取ってさえいない のに。

佐藤店長の作る棚に初めて出会ったのは、彼が北光社の店長をつとめていたころ。
その北光社が店を閉じる時に寄せたメッセージを再掲します。
佐藤店長の作る本棚のことを書きました。
この印象はいまも色あせることなく、それどころか棚の前に立つたびに新たに思います。
これって、すごいことだと思いませんか?

ぼくの話はさておき(ほんとうに)、佐藤店長のお話はかなり面白いです。
個人的には「一日中スリップをいじっている話」とか「一夜にして文庫の棚を入れ替えた話」をお聞きしたいなあ。開店準備中の取次さんとのバトルとか、いやいや、いまの佐藤店長のことをもっと知りたい。
ああ、28日が楽しみだなあ。

「北光社さんへのメッセージ(2010年1月)」

一冊一冊の本が、
きらきらと輝いて見える場所。
隣どうしの本が響きあって、
本に秘められた力がさらに豊かになる場所。
佐藤さんが作ってきた北光社は、
そんな本屋さんでした。

本の数が多ければいいってもんじゃない。
網羅的であればいいってもんじゃない。

本が魅力的に輝いて見えるためには
どう並べられるかがとても大切で、
その方法は
マニュアルで伝えられるものではない。

本を愛し、本に愛されること。
たったひとつの、魔法。

佐藤さんが作る場所では、
何よりもまず本たちがよろこんでいる。

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