草日誌

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2011年8月13日

おおちゃんの読み聞かせ

今年の夏休み、前半は屋久島で過ごしました。泊めていただいたのは「麓書店」の大垣裕美さんのお宅。大垣さん、通称おおちゃんは、学校図書館の司書さんです。
屋久島の全小中学校を2人の司書さんで担当し、車でまわっています。

おおちゃんは絵本の読み聞かせ会もしています。小さい子どもを持つお母さんたちののサークルから依頼が来ると、絵本を車に積んで出かけて行きます。島の友人から「すごいんだよ。乳幼児が釘付けになるの!」という評判を聞いていました。

滞在中に参加できる機会があったらいいな、と思っていたら、ちょうどいいタイミングで声がかかりました。ふだんは広場などで行うのですが、今回はメンバーのおひとりが建築中のお家の工事現場で、とのことでした。
壁に使う土を発酵させる前にこねる作業を子どもたちといっしょにしよう、という企画と絵本の読み聞かせの2本立て。
「今回は前座のようなものなので少しだけ」とおおちゃんは10冊ほどの本を車に積みました。

木陰を探し、土の入った大きな木のプールのようなものの横にビニールシートを敷き、準備をしていると、次々にお母さんと子どもたちがやってきます。
積極的におおちゃんのそばに座る子、遠慮がちに離れたところに座る子、お母さんのそばを離れない子。子どもの個性もいろいろです。バギーに乗ったまま熟睡している子も。

おおちゃんはみんなの様子を見ながら読む本を選びます。
1冊目は『にゃんきっちゃん』(岩合日出子、岩合光昭著)。猫の写真絵本です。かわいい猫の様子は子どもたちに大人気。おおちゃんはみんなに話しかけるように読みながら、ゆっくりとページをめくっていきます。子どもたちは思い思いに歓声を上げたり、隣の子に話しかけたり、自由に楽しんでいます。

次は『おたすけこびと』(なかがわ ちひろ、コヨセ・ジュンジ著)。こびとたちがおかあさんからの依頼を受けて、ミキサー車やクレーン車を使ってケーキを作る話。工事現場での読み聞かせ会ですから、作業車が大活躍する話はぴったりです。とくに男の子は「働く車」が大好きなので大興奮。ページを指さし、どんどんお話に参加します。細かい絵はよく見るといろいろなものが書き込まれていて、見つける楽しさもありました。

とても人気があったのでシリーズの『おたすけこびとのまいごさがし』も。こちらはおばあさんからの依頼で、迷子になった子猫をさがす話。さっき『にゃんきっちゃん』を読んでもらったので、よりお話に入り込めていたようでした。

『はじめてのおつかい』(林明子著)、『14ひきのせんたく』(いわむらかずお著)などを読み、最後は大型絵本の『ありとすいか』(たむらしげる著)。これはもともと、信陽堂のふたりが最初に務めた出版社で発売された本。まさかここで再会するとは。しかも大型絵本になっていてびっくりしました。20年以上経っているとはまったく思えない、今でも斬新で美しい絵本。うれしくなりました。大型絵本なので、すいかも大迫力。子どもたちも身を乗り出して聞いていました。

今回は泥遊びのために子どもたちの体力を残して短い時間で終了。わたしたちは友人含む4人ですぐ横を流れる川に涼みに行きました。屋久島は山、海、川がすぐそばにあるすばらしい環境。書店は2つしかないので、通信販売で本を買うことも多いと思います。そんな中でしっかりとした目で良書を選び、読んでくれる大人がいる。おおちゃんは「小さいころに好きな本に出会い、楽しさを知って育っていってほしい」と言います。島の子どもたちはほんとうに幸せだな、と思いました。

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