草日誌

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2021年2月26日

アルタイのお祭

アルタイのお祭に参加したことがあった。
短い夏を祝う祭典に国中の人たちが集まり、自分たちの歌を披露する。
言葉も旋律も「さまざま」で、みんなその「さまざま」を聴くのを楽しみに集まり、
「さまざま」を披露するのを、「さまざま」があることを誇らしく思っている。
ほんとうに素敵なお祭だった。

祭りが終わり、ガタゴト道を、
ぎゅうぎゅう詰めのバスの窓からからだを乗り出して歌い、
アコーディオンを弾き、
手を振りながら帰っていった人たちのことを思い出す。
そのたびに涙がこぼれるのです。
その感情を語る言葉がありません。
もう二度と会うこともない人たち。
ただみんなのしあわせを祈るだけ。

でもね、その彼らの姿が、僕の人生を支えてくれていたのは事実なのです。
彼らと出会ったから、そういう人のいとなみがあることが信じられた。
誇らしげに自分たちの歌を歌っていたあの人たちの姿を知っているから、
僕はこの世界を信じているのです。
人のいとなみの揺るぎなさを信じているのです。

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