2020年2月16日
第10回 信陽堂「映画とごはんの会」2020年3月のプログラムは『武州藍』です。
日時 2020年3月14日(土)
会場 信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10-1F)
【昼の部】
14時上映開始(開場13時30分)16時30分終了
参加費 1500円(税別、お茶とお菓子付き)
定員 〈満席〉となりました
【夜の部】
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 3000円(税別、ワンドリンクと軽食付き)
定員 〈満席〉となりました
【受付】← こちらから。
「お問い合わせ内容」に「上映会参加希望」「昼の部」または「夜の部」、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。
江戸という消費地を背景に発達した武州(武蔵国)の藍染め。
その伝統をくむ羽生市、熊谷市の藍の栽培から染めまで、その技術と祈りをたどる作品です。
映画のあとはお菓子やお酒の時間を楽しみます。
いっしょに観て、大いにおしゃべりを楽しみましょう。
「映画とごはんの会」は
作品の上映と、そのあとのおしゃべりを楽しむ会です。
昼の部はお茶とお菓子、
夜の部はお酒と軽食をご用意します。
1)自己紹介は必要ありません
2)感想も求めません
とはいえ、映画を観たあとには浮かび上がるいろいろな思い、疑問があると思います。
ゲストに、民映研の創立メンバーでこの映画の撮影も担当した伊藤碩男カメラマンと、南青山で民映研の映像を連続上映している「シュハリ」( @ShuHALLI )から箒有寛さんをお迎えします。
湧きあがる疑問には、博覧強記の伊藤さんが驚異の記憶力をもって答えてくださるはずです。
おいしいお酒と肴とおしゃべりをに楽しみましょう。
おつまみとごはんは「たまや」が担当します。
『武州藍』
1986年/43分/埼玉県教育委員会委嘱/埼玉県羽生市、熊谷市
【作品解説】
武蔵国で藍作りが始まったのは江戸時代という。
大消費地、江戸とのかかわりから生まれた産地であった。これはその藍栽培から染めまでの伝統的技術と習俗の記録である。
正月2日、染物師と紺屋(こうや)の家では、振袖の着物形に切った和紙を藍で染める初染めをする。仕事の無事と藍が健やかであれと祈る。
1月26日愛染さまの緑日。愛染明王は染物師と紺屋の信仰する神である。
春4月、種蒔き。発芽lヶ月後に移植。根付きをよくするため根ほ洗う。
夏8月下旬、刈り取って干す。「藍ねせ」、籾殻の上にゴザを敷いたネセ床に、水をしみ込ませた藍を積み上げ、自然醗酵させる。「藍ねせ」からほぽ10日目に「きりかえし」、水を注ぎ、藍をほぐして空気に触れさせる。約100日後「藍玉作り」、茎と葉を搗いて混ぜ、丸めて乾燥させる。保存と運搬のためである。
紺屋ではまず「藍だて」、水に溶けない藍の色素を還元して、水溶性にする。灰に熱湯を注ぎ、その上澄液、あくを藍と混ぜる。灰は樫などの堅い木のものがよい。次に醸酵の分解作用で色素を抽出していく。フスマ(小麦を製粉するときに出る皮)や酒を加え、藍甕の下の火床に火を入れて温め、醸酵を促す。約1週問で表面に青い泡が立ち、さらに紫色になると藍だては終わる。この方法を「地獄だて」という。
この他に、使っていた藍汁に藍玉を足す「ともだて」がある。
次に「糸染め」、藍甕に糸を浸け、絞る。そして風きりをする。藍を空気にふれさせて酸化させ、糸に色素を定着させる作業である。それを何度か繰り返して、望みの濃さの藍色に染めあげていく。
またこの地方では、長板中型という型染めの方法も発達した。浴衣がこの方法で盛んに染められた。
藍は生きものだという。機嫌の善し悪しがある。その藍の様子を丹念にみながら染める技術には、職人の技と祈りがこめられている。
©民族文化映像研究所