| 窓辺のちくちく | 冬に東京に行ったとき、自分の着ていたコートと友人のを取り替えっこして帰ってきた。お互いのコートが大好きで、それならしばらくの間交換しようか、ということになったのだ。 彼女は上京する…
民族文化映像研究所作品の上映会 30回目「映画とごはんの会」を開催します。 4月の上映作品は、民映研の代表作『奥会津の木地師』です。 人が生きるということ、 必要なものを自分たちで作りながら暮らすことの原型を記録した民映…
子どもの頃、真夜中に目を覚まし、暗闇で何も見えなくて腕や顔を手でまさぐってもそれが誰なのかわからないことがあった。 そんな時、急いで昨日までにあったことを思い出した。 食べものから立ち昇る湯気について。 たわいもないこと…
(このテキストは、「版元ドットコム」からお声がけいただき「版元日誌」として書いたエッセイの再録です) 信陽堂の丹治史彦と申します。 版元としてはまだ10タイトルほどの駆け出しですが、出版の世界ではかれこれ40年ちかく仕事…
柏木江里子さんは、昨年2010年8月30日、肺がんのため逝去されました。 生前はグラフィックデザイナーとして、またご自身のブランド「柏」のデザイナーとして手ぬぐいや帯留めなどの和小物、ポストカードなどを手掛けていらっしゃ…
細かなところまで 思い出せば思い出すほど あのころに起こった すべての出来ごとに やさしく抱かれている 暮らすこと、食べること、季節のこと からだの奥でおぼえているちいさな「ことこと」を大切にひらく36のエッセイ。 神戸…
信陽堂の書籍(『千兎』『セツローさんの随筆』『夏みかんの午後』『愉快のしるし』『三春タイムズ』『やまなみ』ほか)をお求めいただけるお店です。 ぜひお住まいの近くのお店を探して、手にとってご覧下さい。 通信販売をしているお…
背中をそっと温める手のぬくもり 遠くからあなたを見守る眼差し いつもはげましてくれる友だちの言葉 小さな声でしか伝えられないこと 本とは 人のいとなみからあふれ…
| 枝束 | 窓辺から少し離れたところに、枝束がいけてある。六甲の冬は海がよく光るので、いつもだったら外を眺めながら朝ごはんを食べるのだけど、このところ私は、海ではなく枝ばかり見ている。枝束と呼んでいるのは…
柳亭市若さんの勉強会、18回目の開催です。 小人数の小さな会です。 お待ちしております。 正月・バレンタインデーを抜けて 最初の勉強会です。 よろしくお願いいたします。 ネタ出し「試し酒」他 市若 【日時】2025年2月…
【 1 標本箱と不死 】 友人がひとり、この世を去ってもう2ヶ月になる。 あの日、山奥で農家の老夫婦のいつまでも終わらないのどかな稲刈りを撮っていた。「昼にすべか」と呟いてゆっくりと軽トラに乗り込むふたりを見送って、よう…
民族文化映像研究所作品の上映会 29回目「映画とごはんの会」を開催します。 2025年2月のプログラムは『佐渡の車田植』。 佐渡島の西北端にある北鵜島集落に伝わる車田植は、日本人の稲に寄せる信仰を知るうえで貴重な手がかり…
あけまして おめでとうございます 旧年中は大変お世話になりました。 2024年は、高山なおみさんのエッセイ集 『毎日のことこと』とともに歩んだ一年でした。 じつに14年ぶりの高山なおみさんとの本づくり、 どんな本が生まれ…