草日誌

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2014年11月20日

わたし こんなに
軽くなったんだっちゃ

急逝した伯母のお通夜に参列するために夕方から塩竈へ行ってきました。
ご高齢でしたからからだの不調はあったものの、朝までごく普通にお元気で、夜、お風呂で倒れられてそのまま逝かれたそうです。最後は誰にも迷惑をかけたくない、と常から言っていた、と従兄弟が教えてくれました。

本当に急なことで、ご家族は呆然とされていました。今朝まで一緒に過ごしていた人が、急にいなくなってしまった。その悲しみを思えば、言葉も見つかりません。子どもの頃とても可愛がってもらった思い出とともに、元気だった頃の伯母の笑顔が浮かびます。

最近はずいぶん小さくなって背中もまあるくなっていましたが、眼窩の奥の瞳はいつもキラキラといたずらっこのように輝いて、何か楽しいことはないかと探しているような方でした。
僕が結婚したばかりのころ、妻に「お料理なんて、そのうちなれるから心配しないの。失敗したら鍋ごと捨てちゃえばいいのよ。そうしたら、もう誰にもわからないから」と言いながらおかしそうに笑って僕をのぞきこんだその瞳、その声。

そんな伯母でしたから、不謹慎とお叱りを受けるかもしれませんが、お通夜の間じゅう僕が感じていたのは伯母のくつろいだ雰囲気でした。なんだか楽しくて仕方ないらしく、ずっとクツクツ小さな声で笑っています。

「あらぁ、びっくりしたごだ。わたしこんなに軽くなったんだっちゃ。ほら見てみさい、どこだってす〜っと行けるもの〜」

あらたしい状況を楽しみながら、参列する人のことを上から見守っている様子です。
ほんとうに、なんて伯母さんらしいお通夜だろう。

伯母さん、いままでありがとうございました。
僕はこれから東京にもどって、もうひと仕事して帰ります。
告別式には出られませんが、僕は僕の明日を精一杯楽しみます。
じゃあ、またね。

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