草日誌

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2023年3月13日

第18回 映画とごはんの会
『陸奥室根の荒まつり』



民族文化映像研究所作品の上映会 18回目「映画とごはんの会」を開催します。
2023年4月のプログラムは『陸奥室根の荒まつり』。
岩手県と宮城県の県境、海岸線と山とを結ぶ地域で行われる、熊野信仰の姿を伝えるまつりの記録です。

岩手県の南部にある室根山の山頂近くには、紀州から熊野権現を勧請した室根神社があり、約三年に一度、壮大なまつりが行われる。荒まつりと呼ばれる、室根神社の大祭である。熊野信仰の東北への伝播の歴史をうかがわせるものであり、収穫の終わったこの時期にお山の神を迎え、収穫を感謝するまつりでもある。

【会場】信陽堂アトリエ(文京区千駄木3-51-10-1F)

【日時】
2023年4月28日(金)
〈夜の部〉定員となりました(3月13日23:30)←このあとはキャンセル待ちとなります
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクとお弁当付き 税込)
定員 受付終了いたしました

2023年4月29日(土)
〈昼の部〉若干名ご案内可能です(4月15日12:40)
15時上映開始(開場14時30分)17時終了
参加費 2000円(お茶とお菓子付き 税込)
定員 10名

〈夜の部〉定員となりました(3月14日10:00)←このあとはキャンセル待ちとなります
19時上映開始(開場は18時30分)22時終了
参加費 4000円(ワンドリンクとお弁当付き 税込)
定員 受付終了いたしました

【受付】 ←こちらから
「お問い合わせ内容」に「陸奥室根の荒まつり 参加希望」
〈希望日〉と〈昼の部〉か〈夜の部〉か、当日連絡が取れる電話番号、複数でお申し込みの場合は人数もご記入ください。

*感染症対策として、手指消毒用のアルコール、ジェルをご用意します。
 上映中はマスクを着用していただきます。
 当日体調の優れない方の来場はご遠慮ください。
 せき、くしゃみなどの症状がある方は入場をご遠慮いただきますのでご了承ください。


「映画とごはんの会」は
作品の上映と、そのあと1杯のお酒とおつまみをご用意した会です。

1)自己紹介は必要ありません
2)感想も求めません
とはいえ、映画を観たあとには浮かび上がるいろいろな思い、疑問があると思います。
ゲストに、民映研の創立メンバーでこの映画の撮影も担当した伊藤碩男カメラマンと、民映研の代表の箒有寛さん(ShuHALLI)をお迎えします。
湧きあがる疑問には、博覧強記の伊藤さんと箒さんが驚異の記憶力をもって答えてくださるはずです。
お弁当は「たまや」が担当します。
おいしいお酒と肴とおしゃべりを楽しみましょう。


『陸奥室根の荒まつり』
1986年/57分/室根村教育委員会委嘱/岩手県東磐井郡室根村、宮城県本吉郡唐桑町舞根

【作品解説】
岩手県の南部にある室根[むろね]山の山頂近くには、紀州から熊野権現を勧請した室根神社があり、約三年に一度、壮大なまつりが行われる。荒まつりと呼ばれる、室根神社の大祭である。熊野権現の勧請が旧暦閏年の翌年であったため、まつりもその故事に従って、閏年の翌年旧暦九月十七日〜十九日に行われる。このまつりは、熊野信仰の東北への伝播の歴史をうかがわせるものであり、収穫の終わったこの時期にお山の神を迎え、収穫を感謝するまつりでもある。室根神社には、本宮と新宮があり、本宮は奈良時代に、新宮は鎌倉初期に勧請されたと言う。
まつりの準備。室根山の南にある町のはずれにマツリバが設けられ、その正面に神を迎えるための本宮、新宮それぞれのお仮宮が建てられる。代々決まった家の人がこれを行う。他に六十ほどの役割があり、約二千五百人の人々がそれぞれを受け持つ。
十七日、マツリバの馬場祓い。お仮宮を囲む簀垣の周りに設けられた馬場を祓う。十八日、室根神社南の南流[なんりゅう]神社にある両宮の神輿を、陸尺[ろくしゃく]と呼ぶ神役が奉じて室根山へ向かう。夜、陸尺頭取による造営しらべ。お仮宮が決まり通り作られてあるかを調べる。室根神社では、神に粥を献じて忌夜[いみや]祭。十九日午前一時、両宮の御霊が、それぞれの神輿へ移される。寅の満天の刻(午前四時)、約千二百人の陸尺が奉じた両宮の神輿が、一直線にマツリバへ下る。途中お田植え行事、御神馬お迎えなどの儀礼がある。山麓の鳥居近くまで来ると、それぞれの神輿の屋根につけられてある孔雀を若い陸尺が取り、それぞれをかかげてお仮宮へ向かって走る。神輿も激しくぶつかり合いながら走り、マツリバへの先着を競う。マツリバにつくと、神輿をお仮宮へ引き上げる。まつりの最高潮の時であり、これが荒まつりの名の由来でもある。
神霊がお仮宮に安置されると、華やかな袰[ほろ]まつり(山車群)などが馬場をめぐり、神霊を慰める。終わると神は静かに山へ帰る。

©民族文化映像研究所/『民映研作品総覧』(はる書房)より転載

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