草日誌

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2026年7月2日

gururiさんと 
『猫もあなたを愛してる』のこと

わたしたちは
猫という
お日さまと
暮らしている
 
 
猫との暮らしは、こちらが一方的に
愛しているようでいて、
気がつけば猫から
たくさんのものを受け取っています。
晴れの日も雨の日も、
楽しい時もそうでない時も。
このアンソロジーには、
そんな猫と人との風景をあつめました。

東京・谷中の路地裏に、5坪ほどの店内に小さな声を大切に届ける本と雑貨が並ぶ〈gururi〉はあります。谷中界隈は路地に猫たちが行き来する町でもあり、2021年の開店以来、いつしかお店には本と同じように猫を愛する人たちがつどうようになりました。
本書は〈gururi〉が発行するフリーペーパー〈meguru〉に寄せられた猫エッセイ8編を集めたアンソロジーです。イラストレーター花松あゆみさんによる猫たちが本の中を歩き回るような挿画もお楽しみ下さい!

韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(2022年配信)のあるシーンに、こんなやりとりがあります。ウ・ヨンウに思いを寄せるイ・ジュノが、自分の好意は一方的でまるで猫を愛するようだと言うと、ウ・ヨンウは「“猫に片思い”という表現は不適切です。猫も飼い主を愛しています」と返します。
その台詞がずっと心に残っていました。
猫との暮らしは、こちらが一方的に愛しているようでいて、気がつけば猫からたくさんのものを受け取っている日々です。私の店 gururi で発行するフリーペーパー「meguru」に、猫のリレーエッセイのコーナーをと考えたとき、この台詞が思い浮かびました。「猫もあなたを愛してる」というコーナーはそうして生まれました。
  …… gururi 渡辺愛知「おわりに」より

執筆陣は次のみなさん。

奴はア太郎 / 北川史織(「暮しの手帖」元編集長)
猫と暮らして / カワダクニコ(絵本作家『チビのおねがい』ほか)
嚙みつきねこペーター / 日下部由佳(子どもの本の編集者)
猫の時間、猫との時間 / 小山内園子(韓日翻訳者、ク・ビョンモ『破果』ほか)
名前を呼ぶ / 渡辺愛知(gururi店主)
袋小路の猫たち / 丹治史彦(出版者、信陽堂代表)
懐かない猫 / こだま(作家『夫のちんぽが入らない』ほか)
猫と犬と人の人生 / 宮川真紀(出版社タバブックス代表)
装画・挿画 / 花松あゆみ(イラストレーター)

谷中のその一角は、くねくね曲がる道に沿って一階に間口の狭い店が入った木造家屋が並ぶ場所。小さな店にはそれぞれの店主の思いが詰まっていました。かつて〈旅ベーグル〉があったあたりと書けば「あそこか!」と思い出される方もいるかもしれません。都心にあって小さな夢を灯す小商いの店が並ぶこの界隈は、いわゆる〈谷根千〉エリアの中でも独特の味わいをたたえていました。
2021年のまだ寒いある日、その〈へび道〉と呼ばれる細道にちいさな本屋さんが誕生しました。それが〈gururi〉さんでした。

私たち信陽堂は〈へび道〉を抜けて、そのまま続く〈よみせ通り〉を抜けたところにあります。gururiさんは、本のご注文をいただくとすぐに手持ちで納品にうかがえるほどの、文字どおり一番近い本屋さんです。お店の開店と信陽堂の出版活動スタート時期がほぼ一緒だったこともあり、距離以上に親しい気持ちを抱いていました。新しい本が出るたびにすぐにご注文いただき、私たちもすぐにお持ちする(早いときで30分以内!)。たとえて言えば、出来たてのスープの鍋を抱えていくような気持ちでした。

それが、建物の取り壊しとそれに伴う退去を求められている、とうかがったのは昨年(2025年)の夏のこと。あの通りの佇まいに愛着をもつ私たちとしてもとてもショックでしたし、なにより店主渡辺さんの心中を思うと何ともやるせない。新しい物件探し、移転のための準備など大変な時期とはわかりつつ、何か新しい場所でのスタートを応援したいとの思いから「一緒に本を作りませんか?」とご提案していました。それは渡辺さんに選ばれた本が並ぶ棚のファンであることはもちろんですが、お店で発行されている〈meguru〉を拝読していて、以前から編集者としても敬意を抱いていたからです。ご相談すると、渡辺さんからは、〈meguru〉掲載の猫についてのリレーエッセイを一冊にする案が出ました。元々は800文字ほどの短いエッセイでしたのでご執筆のみなさんには4倍ほどに加筆いただき、それぞれの原稿を読んだイラストレーターの花松あゆみさんには新たに挿画を描き下ろしていただきました。
そのような経緯で出来上がったのが本書です。
執筆メンバーから、どんな人たちがgururiさんを愛し、頼りにしているのかがおわかりいただけると思います。もちろん私もその一人です。

2026年7月、愛らしい二階建ての建物はすでになく、へび道にぽっかり空いた更地には「分譲中」の看板が立っています。
gururiさんは旧店舗から歩いて5分ほど、言問通り沿いに移転して7月10日にオープンします。
本書は7月10日から15日まではgururiさんでの先行発売。
その後は順次全国の本屋さんの店頭に並びます。

左のアプリコットはgururiさん限定発売、一般販売はラベンダーの表紙になります。

猫それぞれの人づきあい、
人それぞれの猫づきあい。
8人が猫たちと過ごした時間をお読みください。

【編者紹介】
gururi
2021年2月、コロナ禍の最中、谷中のへび道沿いにオープン。ある一人の架空の女性をイメージして、その人を思いながらお店をつくっている。五坪ほどの小さな店内には、本とコーヒーやお茶、猫モチーフの雑貨が並ぶ。
2025年夏、建物の老朽化を理由に立ち退きを求められ、2026年4月末にへび道の店舗を閉店。7月10日、根津駅に近い店舗に移転し、営業を再開する。

  
『猫もあなたを愛してる』
gururi
B6変形判 上製(170×116ミリ)112ページ

編集+造本 丹治史彦、井上美佳(信陽堂編集室)
校正 猪熊良子

印刷 光邦
活版印刷 日光堂
製本 大口製本
ISBN978-4-910387-13-0 C0095

価格=1,980円(税込)
送料=250円

ぜひお近くの本屋さんでお求めください。店頭にない場合もご注文いただければ、全国どこでもお届けできます。
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