草日誌

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2012年9月16日

蟻と梨
加藤千晶さんのこと

信陽堂が敬愛する音楽家・加藤千晶さんの新しいアルバム『蟻と梨』が、9月16日に発売になりました。
全曲新録音の全24曲2枚組、です。
『蟻と梨』の楽曲は ↓ で視聴できます。ぜひぜひ。
http://www.donutfilms.jp/chiaki/aritonashi.html

配信はこちらから ↓
https://linkco.re/zhEXSy5Q

加藤さんの前作『おせっかいカレンダー』は、誰が何といおうと不朽の名盤で、間違いなく僕個人の「生涯最高ヘヴィーローテーションアルバム」です。もう何千回聴いたかわかりません。
そんな加藤さんから、新作の紙まわりを手伝ってほしい、と声をかけていただいた時の気持ちといったら!
それからはや4年、やっと完成までこぎつけました。
イラストは沖縄張り子の豊永盛人さん、デザインは横須賀拓さん。信陽堂はアートディレクションとして参加しました。

加藤さんの声、みなさんきっと聴いたことがあるのではないでしょうか。
たとえばNHK『ピタゴラスイッチ』の「ピターゴラースイッチ!」という歌、『0655』の「あたし、ねこ」「わたし、犬、いぬ」の歌、CMだと「くもん、いくもん」とか、ちょっと前だと「カラリオ~」などを歌っている人です。
ね? ちょっと耳によみがえってきませんか?

加藤さんの音楽との出会いは7年前、ひとつ前のアルバム『おせっかいカレンダー』が発売されたころ。それからいったいどれくらい加藤さんのアルバムを聴いたでしょう?
いつ聴いても新鮮で、そして同じくらいに懐かしい音楽。加藤さんの世界の印象は、基本的にはじめて出会ったころと変わっていません。加藤さんの音楽はどんどん進んでいるのに、その根っこで響いているものは、きっとずっと変わらない。そういうことです。

当時『HAO』という雑誌でレビューを書きました。
その時のインタビューで加藤さんはこう発言しています。
「犬を連れて散歩している人がいて、窓辺には外を眺めている子がいて、その窓の中ではお姉さんがミシンで何か作っていて、テレビでは夕方のニュースが流れ ていて、お母さんは台所で晩ごはんを作っていて、商店街には夕暮れが迫っていて、その時も地球は回っていて……そういうのが好き。その全部を一度に音楽に したいといつも思ってます」
そうなんです。加藤さんの音楽は、世界が丸ごと鳴っているような音楽。その世界が商店街規模であるところがまた愛らしさの秘密でもあります。

今回のアルバム、掛け値なしに全曲オススメですが、個人的に大好きなのは「I want to be your sunshine」と「This is the music」の2曲です。特に「I want to be your sunshine」は掛け値なしの名曲として残る曲だと思っています。ひいきの引き倒しではなく、そう信じています。

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