草日誌

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記事一覧

松井至|人に潜る

人に潜る 第7話
「いのちの被膜」をめぐる対話
〈後編〉

2024年07月05日

2023年夏、京都の誉こん田だ屋や源げん兵衛べえにて。 短編ドキュメンタリー『いのちの被膜』は山やま口ぐち源げん兵衛べえさんからの依頼を受けて松井至が制作した作品である。そこで語られた衣ころもをめぐる思考を深めるため、思…

人に潜る 第7話
「いのちの被膜」をめぐる対話
〈中編〉

2024年05月18日

2023年夏、京都の誉こん田だ屋や源げん兵衛べえにて。 短編ドキュメンタリー『いのちの被膜』は山やま口ぐち源げん兵衛べえさんからの依頼を受けて松井至が制作した作品である。そこで語られた衣ころもをめぐる思考を深めるため、思…

人に潜る 第7話
「いのちの被膜」をめぐる対話
〈前編〉 

2024年05月04日

2023年夏、京都の誉こん田だ屋や源げん兵衛べえにて。 短編ドキュメンタリー『いのちの被膜』は山やま口ぐち源げん兵衛べえさんからの依頼を受けて松井至が制作した作品である。そこで語られた衣ころもをめぐる思考を深めるため、思…

人に潜る 第6話
握手

2023年12月02日

十代の終わり頃だった。 ひとり暮らしのアパートで宅急便の再配達を頼もうとダイヤルを押した携帯から宅配員の声が聞こえたとき、自分の名前をすっかり忘れていることに気がついた。 お名前は? そう二度三度くりかえすこととなった宅…

人に潜る 第5話
いのちの被膜|京都 ③+映像

2023年09月16日

      どこにでもある⽇常のありふれた場⾯に、長く悩まされてきた問いが溶解した⽇のことを思い出す。 娘のスイミングスクールに付き添ったときだった。 ⾒ていてね そう⾔われて蒸し暑い観覧席からプールサイドを⾒おろすと、…

人に潜る 第5話
いのちの被膜|京都 ②

2023年09月02日

      夏の陽射しの強い⽇だった。 京都・室町にある帯屋の⽼舗、誉⽥屋源兵衛の奥座敷に屈み込んで⼤量の古い⼦ども服を畳に並べていた。広い屋敷のどこかの軒下から⾵鈴の⾳が聞こえてきて、中庭にカメラを向けると⾳もなく樹々…

人に潜る 第5話
いのちの被膜|京都 ①

2023年08月19日

      ⽇頃わずらわしく思っていたWEB広告が、なぜか⽬の⽚隅に残って履歴をひとつ戻る。⾒覚えのあるものがヤフオクで売りに出されていた。それはどの家にもあり、暗黙の内に〈売ってはいけない〉という了解がなされたはずのも…

人に潜る 第4話
ゆびわのはなし|奈良 ③+映像

2023年06月24日

      そのままお宅に泊めていただき、吉野口の空気に馴染んでいった。それからぼくは「外で撮影をしましょう」と提案しておきながら目的地まで来てマイクを忘れたことに気付いたり、なんでもない道路を歩いていてなぜか遠くの車に…

人に潜る 第4話
ゆびわのはなし|奈良 ②

2023年06月10日

      3ヶ月後。奈良の吉野口を訪れると、萩下さんと旦那さんがおふたりで迎えてくださった。なだらかな山の裾に建つ小さな古民家に案内されて、その薄暗い土間から中に入ると床ではなく砂利石が敷いてあり、いくつかの作業机には…