草日誌

草日誌

第30回 映画とごはんの会
『奥会津の木地師』

2025年03月25日

民族文化映像研究所作品の上映会 30回目「映画とごはんの会」を開催します。 4月の上映作品は、民映研の代表作『奥会津の木地師』です。 人が生きるということ、 必要なものを自分たちで作りながら暮らすことの原型を記録した民映…

人に潜る 最終話
 想起するまなざし 

2025年03月22日

子どもの頃、真夜中に目を覚まし、暗闇で何も見えなくて腕や顔を手でまさぐってもそれが誰なのかわからないことがあった。 そんな時、急いで昨日までにあったことを思い出した。 食べものから立ち昇る湯気について。 たわいもないこと…

ソラノマド|高山なおみ 
枝束

2025年02月28日

    | 枝束 |    窓辺から少し離れたところに、枝束がいけてある。六甲の冬は海がよく光るので、いつもだったら外を眺めながら朝ごはんを食べるのだけど、このところ私は、海ではなく枝ばかり見ている。枝束と呼んでいるのは…

はじまりの記

2025年02月23日

(このテキストは、「版元ドットコム」からお声がけいただき「版元日誌」として書いたエッセイの再録です) 信陽堂の丹治史彦と申します。 版元としてはまだ10タイトルほどの駆け出しですが、出版の世界ではかれこれ40年ちかく仕事…

人に潜る 第10話
うたうかなた|前橋①

2025年01月25日

【 1 標本箱と不死 】 友人がひとり、この世を去ってもう2ヶ月になる。 あの日、山奥で農家の老夫婦のいつまでも終わらないのどかな稲刈りを撮っていた。「昼にすべか」と呟いてゆっくりと軽トラに乗り込むふたりを見送って、よう…

第29回 映画とごはんの会
『佐渡の車田植』

2025年01月24日

民族文化映像研究所作品の上映会 29回目「映画とごはんの会」を開催します。 2025年2月のプログラムは『佐渡の車田植』。 佐渡島の西北端にある北鵜島集落に伝わる車田植は、日本人の稲に寄せる信仰を知るうえで貴重な手がかり…

乙巳 2025年 今年もよろしくお願いいたします

2025年01月01日

あけまして おめでとうございます 旧年中は大変お世話になりました。 2024年は、高山なおみさんのエッセイ集 『毎日のことこと』とともに歩んだ一年でした。 じつに14年ぶりの高山なおみさんとの本づくり、 どんな本が生まれ…

高山なおみさんのお話会
仙台と盛岡で開催します

2024年12月21日

高山なおみさんのお話会、ファイナルは東北ツアーです。 〈暮らすこと 日々言葉を紡ぐこと〉と題して 2025年1月25日(土)仙台 エマオ 2025年1月26日(日)盛岡 BOOKNERD での開催が決定しました! 長年住…

人に潜る 第9話
光を読む|映画『私だけ聴こえる』①

2024年12月14日

カーテンを閉め切った暗い部屋に籠って一ヶ月ほど作業をしていたから、ひさしく光を浴びていなかった。部屋の空調の音、台所の換気扇の音、表通りの車の音、鳥の声……そんなふうにひとつひとつの音を探し出して、一枚の画に五つも六つも…